包括的なホテルベンチマーキングエクスペリエンスにおける収益性データの役割

ホテルのオーナー企業や運営会社はビジネスをあらゆる角度から測定すると、成功を獲得する上で優位に立つことができます。そのため、ボトムラインのインサイトを頻繁に取得せずに、包括的なベンチマーキングエクスペリエンスを考慮することはできません。  

CoStarとBenchmark機能を使用するホテル経営者は、ホテルのライフサイクル全体を網羅するにはデータセットと分析が必要であり、月間の収益性を算出する機能は投資や運営戦略を組み、遂行する上で欠かせないインテリジェンスを提供することを理解しています。その結果、運営効率が向上し、ホテルの収益性を最大化することができます。

指標

主な指標は損益報告書全体のおよそ150のデータポイントから生成されており、販売可能一室あたり（PAR）、稼動一室あたり（POR）、合計収益の割合で出されています。以下は、主な販売可能一室あたり（PAR）の指標です。

• 販売可能一室あたり総売上高（TRevPAR）
• 販売可能一室あたり営業総利益（GOPPAR）
• 金利・税・減価償却・のれん償却前利益（EBITDA）
• 販売可能一室あたり人件費（LPAR）

個別および要約のベンチマークを分析する能力のほかに、弊社は詳細分析をフロースルー（収益を利益に解釈する能力）指標と部門別の指標で提供します。

ホテルの損益データを使用するのは誰ですか？これは戦略をどのようにサポートしますか？

損益データにより、業界の全分野と関係者全体でより良い意思決定を行うことができます。以下は、より一般的な例です。

• オーナー企業は利益を管理し、競合他社と比較してビジネスの全体的な健全性を評価します。オーナー企業はGOPPARを理解してより良いフロースルーを作成し、GOPマージンに焦点を当て、部門ごとに効率性の制御を実施します。
• 商用ブランドチームは、収益に対する運営費と人件費の可視性を高めるほか、稼動率や単価志向の戦略で収益から利益へのコンバージョンを高めます。
• フランチャイズサポートチームは、実績を上げている宿泊施設の特定と、運営上の調整を通して利益成長のサポートが必要な宿泊施設を特定することができます。
• 財務チームは収益性データを使用して、各ホテルとポートフォリオの経費の見直し、運営様式の監視、利益の最大化を行うことができます。開発チームと共同で、財務チームがフランチャイズ加盟者の候補に、ブランドがより高い平均収益率を生成する方法や、集約したさまざまな業種の潜在的な受け取りフランチャイズ料金を計算する方法を実演することもできます。
• 開発チームはマーケット分析およびプロジェクト実現可能性分析を実施するためのデータセットの1つとして、収益性の指標を信頼しています。
• 売買または改修を決定する際に、投資家は損益データを使用して宿泊施設の財務健全性を測定します。 

主要な質問と回答

損益データとインサイトにより、最重要指標を補完し、収益性に関するトップラインの意思決定の影響を業界とコンペティティブセットと比較して測定することができます。運営実績の全体像を把握することは、収益や経費を生み出す各部門の強みと弱みを特定する準備ができているということです。収益増加を図るための戦略を実施できるのはこの時です。

総売上高を増加させたい場合、損益ベンチマーキングを使用すると適した質問と回答を見つけやすくなります。

• 自社のホテルの収益作用因はマーケット内の他の宿泊施設と比べて、どの程度の力がありますか？
• すべての収益成長は利益につながりますか？これはどのように商業的アプローチを支援しますか？
• 収益を最大の可能性へと推進させていますか？
• 競合他社およびマーケットと比べて、最も高い収益性を促す総売上高の組み合わせは何ですか？
• 料飲（F&B）部門などの特定部門で、競合他社とどのように比較しますか？
• トップライン実績の成長で純利益の成長と最も相関する部分はどこですか？
• 最大の成長機会を提供する付帯収益はどれですか？
• 関連費用の最も少ない収入源はどれですか？

同じように、経費の明瞭さを高め、より良い費用管理機会を見つける際にも損益ベンチマーキングで適した質問と回答を見つけやすくなります。

• 収益性のピークを促がす稼動レベルは何ですか？
• 流通戦略は客室の収益性にどのような影響を与えますか？
• ホテルまたはポートフォリオは人件費を使い過ぎていますか？
• ボトムラインで最も比重の高い経費は何ですか？どのようにしてより良い管理ができますか？
• 最も高い収益に相関する経費はどれですか？

課題

明確な利点があるにも関らず、収益性をベンチマーキングするホテルは、トップライン実績を測定するホテルほど多くないのはなぜでしょうか？理由はいくつかありますが、そのすべてに解決策があります。

• ホテル全体で一貫性のないデータ形式のレポートを使用しているため、特にポートフォリオ内では、各ホテルの実績やポートフォリオレベルでの実績の測定が困難になります。弊社が全ホテルの損益データのレポートを標準化し、一貫性のある比較を作成しているのはそのためです。
• データが細かすぎると、各ホテルの個別項目の報告に一貫性がなくなります。そのため、CoStarとSTRはデータの質に焦点を当てています。つまり、データポイントが経費をレポートする数軒の宿泊施設に反映されるだけでなく、コンペティティブセット全体に反映されるように、各宿泊施設の必要なすべてのデータポイントを収集します。この取り組みにより、はるかに信頼の高いGOPレポートを提供します。
• 損益データは、アクセス権を制御する人物によって収集しづらくなることがあります。弊社は業界関係者と強力な関係を構築しているため、データ報告の目的で関係者と直接取り組むことができます。
• 場合によって、データ報告は複雑すぎるため、徹底的な教育が必要になることがあります。弊社が使いやすく、STARの実績データと連携が取れたソリューションの開発に注力したのはそのためです。つまり、ユーザーはデータから意味を引き出して、指標を行動に解釈することができるのです。
• 損益ベンチマーキングは、社内関係者間でサイロ化されてしまうことがあります。そのため、CoStarおよびSTRは高度分析の決定的な解決策を開発してビジネスの全ライフサイクル（買収、運営、売却）をサポートし、関係者間での共同作業を促進しています。

まとめ

最後に、収入は銀行に直接わたるのではなく、経費に充てた後に残る利益を受け取るのです。これらの利益を最適化する手段は包括的なベンチマーキング戦略です。トップラインおよびボトムラインのインサイトと、全関係者に単一の情報源を提供して過去と未来を見る能力を組み合わせた戦略が必要です。

この記事は、ホテルベンチマーキングデータセットシリーズの一部です。こちらから別の版にアクセス：Using business on the books in a complete benchmarking approach（完全なベンチマーキングアプローチで確定済みのビジネスを使用する） | The hospitality industry’s key historical metrics（ホスピタリティ業界の主要実績指標）