前回の投稿では、ホテルのパフォーマンスを測定する場合に、RevPAR が果たす重要な役割について解説しました。RevPAR は今も売上実績を測るうえでのゴールドスタンダードですが、宿泊施設や市場全体の健全性を分析する場合は、他の指標の方がより詳細な分析情報を提供できます。そうした重要な指標の一つが、販売可能客室一室あたりの総売上高(TRevPAR)です。
TRevPAR は、ホテルの販売可能客室一室あたりで生み出される総売上高を評価する指標で、次の計算式を使って算出されます。
前回の投稿では、ホテルのパフォーマンスを測定する場合に、RevPAR が果たす重要な役割について解説しました。RevPAR は今も売上実績を測るうえでのゴールドスタンダードですが、宿泊施設や市場全体の健全性を分析する場合は、他の指標の方がより詳細な分析情報を提供できます。そうした重要な指標の一つが、販売可能客室一室あたりの総売上高(TRevPAR)です。
TRevPAR は、ホテルの販売可能客室一室あたりで生み出される総売上高を評価する指標で、次の計算式を使って算出されます。
TRevPAR の主な利点は、飲食の売上、会議場、スパ、ゴルフ、駐車場のほか、電話やインターネットサービスなど、すべての部門からの収入を考慮している点です。こうした部門がホテル全体の業績に大きな影響を与える場合も考えられますし、とりわけ総合サービスを提供するホテルでは、多岐にわたる飲食サービスを取り揃えているところが多く見受けられます。TRevPAR ではまた、全体のパフォーマンスを測る計算式で見落とされやすい、キャンセル料やリゾート料金などの雑収入も計算に含めています。
また、TRevPAR は、競合他社や競合他社の収益構造との比較で、ホテル内の収益機会を見極めるのにも役立ちます。コンプセットのホテルで TRevPAR が著しく高く設定されている場合、部門を絞り込んで、どの部門の料金に違いがあるのかを確認する必要があります。例えば、ホテルで駐車料金を競合ホテルより大幅に安く設定している場合、駐車場収入を増やし、その結果、TRevPAR を上昇させる良い機会になります。
さらに、TRevPAR を使えば、特定期間に収入が増加した理由を判定することができます。異なる部門を比べることで、ホテルのどの部門が他に比べて大きな収益を出しているかを判断し、今後異なるビジネスを対象とするよう戦略を調整することができます。
TRevPAR にはホテル内のすべての収入源を含めるのに対し、RevPAR には販売可能客室一室あたりの客室売上高のみが含まれています。場合によっては、RevPAR が最も高いホテルが、TRevPAR を見てみると、他部門から入る収入が原因で、他のホテルよりも低いということがあります。
TRevPAR では経費を考慮に入れていないので、この指標だけを使ってホテル全体の収益性と効率を判断することはできません。
ホテル 1 の RevPAR は 66 米ドル、ホテル 2 の RevPAR は約 10% 高い 72 米ドルでした。両ホテルとも、客室数は 300 室です。
一見すると、ホテル 2 の方がホテル 1 より収入が多いように見えますが、TRevPAR を見てみると、ホテル 2 の TRevPAR が 105 米ドルであるのに対し、ホテル 1 の TRevPAR は 111 米ドルでした。
以下の内訳を見るとおわかりになるように、ホテル 1 は客室売上は少ないものの、他のすべての収益でホテル 2 を上回っていて、結果的にこの競合ホテルよりも高い TRevPAR を達成できています。