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平均客室単価と計算方法について

平均客室単価とは何ですか? 

平均客室単価はホテルの3つの重要業績評価指標のうちの1つで(他の2つは稼動率と販売可能一室あたり収入)、所定の期間内に販売済客室に支払われた平均料金の指標です。この指標は、収益を上げる客室のみに対応します。

平均客室単価は販売可能一室あたり収入の直接要因で、ホテル、ポートフォリオ、マーケットセグメントまたは地理的なエリアでトップライン実績を測定する際のホテル業界の代表的な測定基準です。一般的に、宿泊部門はホテルの収益および利益を生成する最大の部門です。平均客室単価の効果的なアプローチが、収益性を最大化させる目標を持ったホテルレベニューマネジメントサイクルの鍵となります。

平均客室単価の計算方法(数式と例)

平均客室単価は、客室売上高を販売済客室数で割って計算します。この指標はどの通貨にも適用することができます。

平均客室単価 = 客室売上高 ÷ 販売済客室数*

例1: 
ホテルAは米国にある大規模な宿泊施設で、昨晩は125室を販売し、客室売上高は15,000米ドルでした。そのため、ホテルAの平均客室単価は120米ドルでした。  
15,000 ÷ 125 = 120

例2: 
ホテルBは中国にある30室の小規模な宿泊施設で、昨晩は10室を販売し、客室売上高は6,000オンショア人民元でした。 
6,000 ÷ 10 = 600

*米国ホテル統一会計報告様式(USALI)によると、販売済客室数には収益生成中の客室数またはプロモーションまたは契約の一部として稼動中の客室数のみを含める必要があります。プロモーションや契約と関連付けられていない無料で提供される客室数は含めるべきではありません。客室の貸出により発生した売上高のみが客室売上高に含まれるべきです。詳細ついては、データ報告ガイドラインをご参照ください。

平均客室単価は販売可能一室あたり収入とどのように異なりますか?

平均客室単価は客室売上高(需要)に基づき、販売可能一室あたり収入の計算はすべての販売可能な部屋数(供給)に基づいています。さらに、販売可能一室あたり収入は、稼動率と平均客室単価の両方の機能を持ちます。 

販売可能一室あたり収入 = 客室売上高 ÷ 販売可能客室総数

例1: 
ホテルAは昨晩150室中125室を販売し、客室売上高は15,000米ドルでした。そのため、ホテルAの販売可能一室あたり収入は100米ドルでした。  
15,000 ÷ 150 = 100

例2: 
ホテルBは昨晩20室中10室を販売し、客室売上高は6,000オンショア人民元でした。 
6,000 ÷ 20 = 300

ご覧の通り、平均客室単価の例と販売可能一室あたり収入の例を比較する際、後者の指標はより低くなります。これは、販売済客室数に関らず、各宿泊施設の利用可能な客室数を組み込むためです。

平均客室単価は平均宿泊料金とどのように異なりますか?

異なる点はほぼありません。ホスピタリティ業界では使用する頻度はそれほど多くありませんが、平均公開単価は平均価格を測定するもう1つの指標です。平均客室単価と平均公開単価の数式は同じですが、平均公開単価は長期間にわたり平均単価を報告する場合に使用されます。

平均客室単価は平均公開単価とどのように異なりますか?

平均客室単価は、過去の日、週、月、年などで実際に支払われた部屋の料金を反映します。平均公開単価()は、年間のさまざまな期間におけるさまざまなサイズの部屋(シングル、ダブルなど)の販売料金を平均して算出します。弊社のセンサスデータベースに含まれるホテルがデータを報告しない場合、販売料金を使用して業界レポートの平均客室単価を予測します。

平均客室単価が重要な理由は?

最終的に、利益を増加させるには総売上高を促進させる必要があります。顧客が支払いに意欲的な最高額をホテルが把握すると、総売上高は成長します。

最適な平均客室単価に到達するには、ホテル業界関係者はベンチマーキングの重要な役割を把握しなければなりません。業績は様々な要素のひとつにすぎません。自社の稼動率と客室単価を競争またはマーケットと比較すると、成功を測定する上で必要な情報を強化できます。平均客室単価は部屋のタイプ、曜日、またはマーケットプロファイルによって変化します。また、季節的な需要パターン、特別イベント、マクロ経済の状況で一年を通して変動します。

需要、ゲストのタイプ、価格帯、部屋と部屋のプロモーションの流通チャネルと直接的な関係があるため、平均客室単価はベンチマーキングプロセスにおいて重要な指標です。

平均客室単価の使用方法

販売可能一室あたり収入は稼動率と平均客室単価の両方の機能を持つため、2つの指標の最適なバランスを見つけることがトップライン実績を飛躍させる鍵です。運営費がかかるため、稼動率志向の収益戦略の効果は低くなります。

平均客室単価の場合、利益を最大化させる一環として、2つの主要なベンチマーキングステップがあります。

初めに、季節、曜日、顧客構成ごとに独自の単価トレンドと需要パターンを決定します。例えば、春季の月曜日と火曜日に個人利用の需要が十分に生成されて満室になることが見込まれる場合は、低料金の団体利用の予約を早期に受けないようにすることができます。高料金の個人利用客が予約できず、稼動率を上げずに平均客室単価が下がってしまうことを防ぐためです。

次に、平均客室単価レベルを、競争他社またはマーケットの同じセグメントと時期の平均と比較します。ベンチマーキングプロセスの基盤はコンプセットです。これは、厳密な機密保持のガイドラインを遵守しながら、競争の集約された実績を提供します。

平均客室単価をベンチマーキングすることで、以下の質問に回答することができます。

  • 平均客室単価は稼動レベルに実際に影響を与えていますか? 
  • 需要が少ない期間の単価戦略を見直す必要がありますか?
  • 販売可能一室あたり収入が成長している場合、稼動率と平均客室単価の最適なバランスは何ですか?
  • 団体は総売上高に大きく貢献する機会を提供しますか? 
  • 競合他社やマーケットと同じように、高需要期間の利点を活用していますか?

前述の通り、世界の大部分の地域において、部屋の貸出はホテル最大の収入源です。しかし、部屋は唯一の収入源ではないため、他の収益生成部門に加えて平均客室単価を測定し、総売上高と収益性の全体像を展開することが重要です。これにより、高い実績の部門を最大化したり、稼動率と平均客室単価の成長と収益性の差異を識別したりできます。