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GOPPAR とは?ホテルにとってのメリットは?

GOPPAR とは?

ホスピタリティ業界の主な収益指標の一つである販売可能客室一室あたり営業総利益(GOPPAR)は、ホテルの収入と支出の関係を測定するための指標です。一般的に、GOPPAR に対する理解を深めれば深めるほど、収入を利益に変えることができるようになります。そのため、GOPPAR を他の主な損益指標とともに、一貫してベンチマーキングすることが重要になってきます。 

全体像を見た場合、収益性のベンチマーキングを行うことで、商用チームは、収入に対する営業コストや人件費を把握し、稼働率や ADR を重視した戦略で収入から利益へのコンバージョン率を高めることができるようになります。

主な損益指標:

  • 販売可能客室一室あたり営業総利益(GOPPAR)
  • 販売可能室一室あたり総売上高(TrevPAR)
  • 金利・税・減価償却・のれん償却前利益(EBITDA)
  • 販売可能客室一室あたり人件費(LPAR)

営業総利益(GOP)あるいは GOPPAR では、TRevPAR と連動してフロースルーを決定し、増分利益につながる増分収入の割合を計算します。


GOPPAR の計算式

長い頭字語なので複雑な指標のように見えますが、GOPPAR の計算はごく単純です。 

営業総利益(GOP)あるいは GOPPAR では、TRevPAR と連動してフロースルーを決定し、増分利益につながる増分収入の割合を計算します。

営業総利益 = 総売上高 –(部門経費合計 + 未配賦経費合計)

部門経費合計 =
宿泊費 + 飲食費 + その他運営部門経費

未配賦経費合計 =
一般管理費 + 情報通信システム + 販売およびマーケティング費 + 水道光熱費 + 施設運営費 + メンテナンス費

GOPPAR の使い方

GOPPAR を分析すると、全部門の収入をどれだけ効果的に利益に転換できているかがよくわかります。売上指標(稼働率、ADRRevPAR)で競合他社や市場を上回っていても、高額な運営費がかかっている分野があり、それが収益を圧迫しているかもしれません。

簡単な例として閑散期が挙げられますが、GOPPAR を見れば、需要の少ない時期にどれだけ利益に変えられているかを確認できます。市場を見てみるとおそらく、これまで以上に集客に成功し競争力のある客室単価を提示できているものの、それに見合うだけの利益を生み出していないことがわかります。経費が必要以上にかさんでいる、あるいは、特定の時間帯にスタッフを多く雇いすぎているということはありませんか?人件費の管理は収益性にとって極めて重要であり、GOPPAR を使えば、人件費をうまく管理できているかどうかを確認できます。

ベンチマーキングの主な指標である GOPPAR は、企業全体で使用することができます。主な例をいくつか以下にご紹介します。

  • レベニューマネージャー:GOPPAR を使用して収入と費用を最適化し、最終的に収益を利益に変える
  • 総支配人:コンプセットや市場平均と収支を照らし合わせて分析する
  • 財務チーム:GOPPAR を指標として、競合他社に対する収支変数を把握する。運営様式をモニタリングし、各ホテルとポートフォリオ全体の利益を最大化する。開発チームと連携し、フランチャイズ加盟候補に運用益を示す

総括すると、収支バランスを把握することで強みと弱みを特定できるとともに、ホテルや特定部門の収益性を高める機会を把握できるようになります。